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【消費者被害】

2024.04.25

投資詐欺を判断する目安

弊所で取り扱っている事件の中に消費者事件(個人と事業者との間のトラブル)があります。
    
消費者事件の中でも投資詐欺は常に相当な割合を占めているのですが、(名目上の)投資対象は時勢に応じて変遷していきます。
  
不動産や有価証券あたりは伝統的な投資対象ですが、二酸化炭素排出権取引、暗号通貨等、社会的な注目を集めている対象を、詐欺業者はタイムリーに利用しています。
  
持ち掛けられた投資話が詐欺なのか、真っ当な投資なのか、自分で判断するのは容易ではありませんが、1つの目安は利益率です。年間20~30%やそれを超えるような利益をうたう投資については、詐欺の可能性を慎重に検討する必要があると思います。
  
インターネット上に、「ウクライナの戦時国債の利率が18%なのだから、それを超える利益率をうたう投資の危険性が分かる」というコメントをされている方がいましたが、本当にそのとおりです。
 
個人を対象とした貸金業者においては、貸出の利率は15~20%ですが、これは多数の顧客に貸し付けてリスクを分散している上に、相当割合の借主が返済不能に至ることを織り込んで、それでも利益が残るような高めの利率にしてあるわけですから、投資対象が1つしかないのに、20%を超える利益をうたう話がいかに危ういか、分かるのではないでしょうか。
  
投資詐欺では元本の回収も困難なケースが少なくありませんので、被害に遭わないよう、慎重にご検討なさることをお勧めします。
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